内省をせずに生きる。<シャチの日記>

8ヶ月彷徨って辿り着いたしあわせの1ミリ。

いのちの電話、かけてもかけても話し中 足りない相談員

いのちの電話、かけてもかけても話し中 足りない相談員:朝日新聞デジタル

井上裕一 2019/12/8 20:00 有料記事

 悩みを聞いてほしくても、なかなか電話がつながらない――。自殺防止などに取り組む各地の電話相談で、こうした状況が常態化している。相談員がこの10年で約1千人減り、対応できる件数が減っているためだという。(井上裕一)

 神戸市の女性(29)は昨春、スマートフォンで「いのちの電話」に電話した。交際相手から「死んでしまえ」と怒鳴られ、自暴自棄になって自宅を飛び出していた。

 「誰かに話を聞いてもらいたかった」

 しかし、何回電話しても「ツーツーツー」と話し中の音が流れるだけ。ほかの相談電話も2カ所ほど調べ、それぞれ数回ずつ電話してみたが、どこも話し中でつながらなかった。「誰も助けてくれないのか……」。かえって、絶望感が募ったという。

 女性が電話をかけた先の一つが、大阪を拠点にする「関西いのちの電話」だ。事務局によると、1年間に受けている電話相談は約2万3千件。しかし実際にかかってきている電話は10倍以上とみられるという。

 電話は毎日24時間、ボランティアの相談員が受けている。1件あたりの会話の平均時間は40分ほど。2時間に及ぶこともあるうえ、相談員が足らずに4台の電話機をすべて稼働できないときもある。結果的に一部の電話しかとることができず、大半は話し中の状態だ。

 「何時間もかけ続けた」「いのちの電話まで私を見捨てるのか」

 そんな言葉をぶつけられることもあるという。

 こうした状況はどこも同じだ。

 悩みや孤独感を抱える人の話を聴く「いのちの電話」は、社会福祉法人NPO法人が全国で50のセンターをそれぞれ運営している。時間帯にもよるが、横浜でつながるのは10回に1回程度、名古屋でつながるのは20回に1回ほどという。福岡でもここ数年、「10回電話してもつながらない」といった苦情が増えているという。

 ある相談電話の窓口では平日の…

 

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●日本いのちの電話連盟

  • ・フリーダイヤル
  • 0120・783・556
  • (毎月10日午前8時~翌日午前8時)
  • ナビダイヤル
  • 0570・783・556
  • (午前10時~午後10時)
  • ※各地のセンターの番号は連盟のHPに掲載

●東京自殺防止センター

  • 03・5286・9090
  • (午後8時~午前5時半。火曜日は午後5時~午前2時半、木曜日は午後8時~午前2時半)