慣れて忘れてしまいそうだったが、
元々、駄目だった。
不器用で自己中心的で淋しがり、小心。
幼少期はよく厳しく怒られていたらしいが
あまり憶えてはいない。
周りに何度も聞かされて
そう上書きされているような記憶。
物心付いてからは、
それなりに淋しさの裏返しを、
弾みで身の危険を感じる状況も
少なくなかった。
思い返してみれば 約20年、
そこから離れていることが出来ていただけの事だ。
一つ二つ報われた経験もあり、
離れていられただけ幸せだった。
日々、命の不安がない、保証のあるような毎日。
いつからかそれに慣れすぎて、
それでも足りない
嬉しいことでもない
そんな感覚に陥ってしまっていた。
本来 元々 駄目で、出来損ない。
怒られているべき、存在だった。
<シャチ>